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退職祝いの会

西荻ペインクリニック開院当初から、ずっと治療室の中心となって私を支えてくれていた、ナースの木村さんが退職することになり、みんなでささやかな退職祝いパーティーを開きました。

木村さんとは、私が西荻ペインを開業する前にペインクリニック外来をしていた病院で出会いました。

私が開業することになって、ナースを募集しなくちゃ、というときに、その病院を定年退職して無職となっていた木村さんの顔がすぐに頭に浮かびました。

家で悠々自適の生活をしていた木村さんに、新規開業のスタートだけでもいいので手伝ってください!と頼み込んで西荻ペインに来てもらいました。

ペインクリニックでの仕事は木村さんにぴったりで、ナースとしての仕事だけでなく、母親の優しさで痛みをかかえた患者さんを励ましてくれました。そのおかげで、うちの治療成績がかなりあがったのではないかと思うくらいです。

「わたしはそろそろ辞めてもやっていけるでしょう?」という木村さんの言葉を時々聞き流しながら、とうとう10年も仕事を続けてくれました。

しばらく休んだら、木村さんのこと。きっと仕事が恋しくなるでしょうから、また時々手伝ってくれるのではないかしらと、淡い期待をいだいています。

紫陽花

わたしの誕生日の日に、クリニックに紫陽花が届きました。

存在感があるのに、とても控えめ。小さい花どうしが寄り添っているからでしょうか。

クリニックでしばらく眺めたら、外にだしてあげましょう。雨の中で紫陽花は、いっそう生き生きとした表情をみせてくれることでしょう。SAMSUNG

 

 

進化する筋弛緩薬

Nippon Neuromuscular Meeting という神経筋作動薬についての会議に出席してきました。

土曜の夕方にもかかわらず、日本中から、600名近くの麻酔科医が集まりました。

全身麻酔をするときに、大切な3つの柱があります。

1.痛みをとる

2.意識をとる

3.不動化する(動かないようにする)

この中で、3番目は、患者さんを動かないようにして、外科医に良好な術野を提供し、安全な手術ができるようにするために必要な要素です。そのために、麻酔中には、筋肉を弛緩させる筋弛緩薬(きんちかんやく)という薬を使います(注:使わなくてすむ手術もあります)。

筋弛緩薬は、すぐに効く、しっかり効く、安全に使える、必要なくなったらリバース(作用を拮抗)することができる、リバース後に再び筋弛緩作用が戻ってこない、など大事な条件があります。

私が医者になりたてのころは、そのすべてがそろっているものはなく、少しずつ改良されながら、良い薬が作られてきました。

そして、今は、ロクロニウム(商品名エスラックス)、リバースにはスガマデクス(商品名ブリディオン)という時代です。私にとっては、5世代目の筋弛緩薬です。

世界で使用されているこの薬の半分が日本で使われているのだそうで、これから世界中に広まっていくことになるのでしょう。

この10年近くは、ペインクリニックだけを仕事としていますが、わたしのアイデンティティは麻酔科医である、と強く意識した会議でした。

 

花冷え?

今年はいつまでたっても寒いですね。

昼間は、春を感じる陽気ですが、夜になると急に冷え込みますね。

普段は、車で通勤しているので、あまり気温の変化も意識しないのですが、電車で出かけるときは、何を着るか悩んでしまいます。

昼のぽかぽか陽気に惑わされないように、時間ごとの予想気温を確認してでかけます。といっても、オーバーを着るわけにいかないし、気温的には、タートルネックのセーターでもいいくらいなのに、やっぱり4月の声をきくと、ちょっと薄着でやせがまん・・・ということになってしまいます。

冷え症、寒がりのわたしには、今年の春はちょっと厳しい毎日です。

台風26号

10年ぶりの大型台風ということで、かなり警戒していましたが、早朝の豪雨に続いて、出勤するころには暴風となり、そして、あっというまに通り過ぎてしまいました。

伊豆大島のほうでは、台風としては犠牲者もかなりの数にのぼったようですね。自然の猛威にはなすすべなし、という感じですね。ご冥福をお祈りします。

午前中、首都圏の電車が、中央線も山手線もほとんど止まってしまいました。こんなに全部運転見合わせというのは、めずらしいですね。予約の患者さんは、ほとんどキャンセルかしらと思っていたら、遠くから車でいらした方や、電車がとまっていたのでバスをのりついで来ました、という患者さんたちが少しずつ集まってきました。

普段の3分の1くらいの患者さんで、ゆったりとした診療で、静かに時間が流れていて、理想的なペインクリニックという雰囲気の午前中でした。