「ペイン一般」カテゴリーアーカイブ

塩野義製薬で講演してきました。

タイトルは『ペインクリニックにおける薬物療法』

最近注目されているサインバルタという新しいタイプの鎮痛薬の話を中心に進めました。

サインバルタは塩野義製薬の製品ですが、薬を医師に紹介して営業をしておられるMRの方たちは、臨床でどのように使われているかを知るチャンスがないということで、効果や副作用、使い方の工夫などを話しました。

サインバルタは、SNRIというタイプの薬で、痛人間の身体が自然に備えている、下行性抑制系という鎮痛システムを強化する働きをもっています。

ペインクリニックで多く扱っている神経障害性疼痛の鎮痛薬としてとても効果があります。

このサインバルタは、国際疼痛学会のガイドラインでは、以前から第一選択薬だったので、私は以前から多く使ってきましたが、日本では今年、慢性腰痛症の保険適応が許可されたので、注目されて一気に広がった感じがあります。

講演会は、19:15から1時間。皆さん仕事後のお疲れのところ、熱心に聴いてくださって、質問もたくさんでて、とても満足のいく講演になりました。

 

肩こり

1ヶ月ほど前から、忙しさとストレスで肩こりがひどい状態が続いていました。

頭がぐ~っと重くなって、あぁ、つらいなぁという感じです。

忙しいということは、仕事の時間が長くなり、平行してパソコンに向かっている時間も長くなり、運動する時間がとれなくなるので肩こりはひどくなる一方です。

まず、手軽に、葛根湯を服用しました。ちょっとらくかなという感じです。

湿布をはったり、置き鍼を貼ったり、自分でできることを続けていました。これもちょっといいかなという感じです。

うちのドクターにトリガーポイント注射をしてもらいました。これはよく効きます。数時間はらくになりました。

忙しさや、ストレスという原因がなくなれば、このくらいの治療でじゅうぶんかもしれません。

でも、日々の仕事やストレスが続いているときは、肩こりはだんだんひどくなり、セルフ治療ではなかなかとれなくなってしまいます。

こういうときは、星状神経節ブロックに限ります。

早めに午前診療が終了した日に、さくらい先生に左の星状神経節ブロックをしてもらいました。注射して5分くらいすると、左の目の奥や、鼻の奥が、ドックンドックンと脈打つような感じがしてきました。まさに血流が増えているという感じです。

30分でおきあがってみると、肩はすっかりらくになっていました。さすがによく効きます。

来週も時間をみつけて、今度は右の星状神経節ブロックをしてもらおうと思っています。

インタビュー

東京保険医協会で発行されている「診療研究」の巻頭に掲載される 『ルポ・第一線医療』という記事のために、インタビューを受けました。

保険医協会の事務局の方2名と、精神科医でもあられる片倉編集部長が西荻ペインにきてくださって、1時間ほどお話をしました。

テープで録音しながら、片倉先生が熱心にメモをとられていましたが、非常に楽しい時間で、1時間はあっという間に過ぎてしまいました。

もちろん片倉先生とは初対面ですが、ひさしぶりに会った旧友と話しているような感じで話がはずみ、インタビューが終わったときは、あぁこれがプロの精神科医なんだなぁと思いました。

人の心を開かせるのが上手というか、患者さんもこんな精神科医の先生になら信頼して、安心して、自分の気持ちを語れるのだろうと思いました。

 

 

 

頭痛学会に行って来ました

櫻井先生に診療をお願いして、頭痛学会に行って来ました。

今年は会場が新宿の京王プラザだったので、午前は頭痛学会、午後はクリニックに戻って診療、夕方また会場に戻ってナイトセッションに参加、と時間を有効に使うことができました。

頭痛学会は神経内科や脳神経外科(内科)の医師が中心です。治療法方は薬物療法についてのディスカッションがほとんどです。

緊張型頭痛、また日常生活に支障をきたす片頭痛の治療はペインクリニックの治療がとても有効です。しかし、頭痛にペインクリニックの治療が有効であることを内科医にほとんど認知されていません。

東京で開かれる頭痛の研究会や講演会などに参加して、頭痛にはペインクリニックの治療も有効ですよと言っても、内科医にはなかなか理解してもらえません。

麻酔科の医師にとって、片頭痛治療に神経ブロックの治療が有効であるということは、教科書に書いてあるほどのあまりにも当たり前のことなのですけれどね。

ペインクリニックの治療が有効であることを、片頭痛に悩んでいる患者さんたちに、わたしたちが直接発信するしかないんだろうなぁと思っているこのごろです。

ぎっくり腰にびっくり

ぎっくり腰を経験しました。初めてです。今まで一度も腰痛を感じたことはありません。

一日中片付け物をした日のこと。腰が重いなぁと思いながら湿布でも貼ればすぐなおるかなと思っていました。その翌日、物を持ち上げようとちょっと腕を伸ばしたとたんに、腰にギクッと痛みが走りました。

前かがみができない。腰をひねることができない・・・

まっすぐ立っているのは問題ないのですが、車を運転するときのハンドル操作も、引き戸をしめる操作も、腰にひびきます。上半身を使うだけの普通の動作でも腰の筋肉を使っていることがわかりました。

始業前に、櫻井先生に超音波を使って腰のファセットブロックをしてもらいました。すぐに痛みは半分くらいになって、通常の勤務はできましたが、その日の夜はまだ寝返りが打てませんでした。

3日連続で神経ブロックをしてもらって、4日目には、ゴルフができるまでに完璧に回復しました。

腰痛の患者さんの治療をたくさんしていて、喜ばれているので、ペインクリニックの治療が有効だということはわかっていましたが、こんなに効くとは思っていませんでした。

痛みがなくなることが、こんなに嬉しいものかと思いました。

腰は文字通り、体の『要』、頭痛や腕の痛みもたいへんだけど、動くことができない腰痛は大変です。腰痛の患者さんの大変さ、治療でよくなることの嬉しさを実感した4日間でした。