急性痛こそペインクリニックで

1週間くらい前に、私は仕事中に右の手首をひねったり力を入れたりした時に痛みを感じるようになりました。

料理をするとき包丁で人参が切れなくなり、重い鍋を持てなくなってしまいました。それ以外の日常の場面でも、車のハンドルを回すとき、小さな口紅を回す時にも痛みを感じるようになっていました。

右手の腱鞘炎のようです。注入時にかなり力がいる星状神経節ブロックを多数行っている私にとってはいわば職業病のようなものです。
低周波の治療をやってみましたが、まったく変化がありません。このままの状態だと仕事に差し支えると思って、すぐに星状神経節ブロックを受けに行ってきました。

星状神経節ブロックをしてもらった直後は特に変化も感じませんでした。治療の翌日の診療は痛みのでる角度をさけるようにして慎重に手を使ってなんとか仕 事をすることができました。そして星状神経節ブロックをうけて2日後にはまったく痛みがなく、右手を意識しないで仕事をすることができるようになりまし た。もうそれ以来痛みはでていません。

ペインクリニックの治療になじみのない方だったら、腱鞘炎くらいで星状神経節ブロックを受けようとは思われないかもしれませんね。
確かに、痛み止めをのんで、整形で電気治療を受けて、1ヶ月くらいかかれば治るかもしれません。

それでも治らないときに、何ヶ月もたってだんだん悪くなってから、他に治療法はないかしらと調べてペインクリニックにたどり着くということが多いのでは ないでしょうか。仕事に差し支えのない部位の痛みだったら、多少の痛みには目をつぶって、そのまま「仕方ない」と放置してしまうかもしれません。

急性期に神経ブロックで治療をすると、すぐに治ります。痛みが長引いてから治療を開始すると神経ブロックの回数も多く必要です。すぐに治る快適さを知っているので、私はすぐに星状神経節ブロックを受けに行きます。
「なかなかとれない痛みにはペインクリニックが有効」と思われていることが多いですが、実は、急性期の痛みこそ、神経ブロックの効果を感じられるものだと思います。

と書きながら、星状神経節ブロックの効果に一番驚いているのは私自身です。まさか一回で手首の痛みがなくなるとは思っていませんでした。2-3回は治療が必要かなと思っていましたから。
すぐに治ってよかったです・・・。右手に力が入れられなくなったらどうしよう、とほんとに心配していました。